鈴木央「ブリザードアクセル」3巻

この漫画のおかげでフィギュアスケートの採点基準が(なんとなく)わかった(ような気がする)。それだけでもこの作品が世に出た意義があると思う。
ルールがわかりにくいスポーツを題材とした漫画の系譜としては「モンキーターン」「アイシールド21」に通ずるものがある。いずれもチュートリアルがしっかりしていたのが共通点。本作と同じトリノ狙いの作品に「ユート」があったが、あれはスピードスケートの厳しい現実だけを見せつけられて終わってしまったからなあ。
作品自体も、少女漫画チックな部分と激しい部分が共存するフィギュアスケートという題材に鈴木央の作風がマッチしているというか、ばっちょ以外には考えられない題材だと思う。うまくコーディネートしたサンデー編集部はさすが。

ブリザードアクセル 3 (少年サンデーコミックス)

ブリザードアクセル 3 (少年サンデーコミックス)

雑誌ではフロストクイーンとの試合中だが、こちらは残念ながら鈴木央のいつもの悪い癖が出てしまっている。かませ犬たちの極端なギャグ描写ははっきりいって寒い。これが一過性のものであることを願う。