新人読切6連弾(1987年)

ビッグコミックオリジナル』12/5号(No.913)にて、第55回新人コミック大賞一般部門の第2次・第3次審査結果を掲載されていましたが、第2次審査の12名に松家幸治「たこ焼き屋のてっちゃん」が入っていました。しかし、第3次審査の7名には入らなかった様子。


松家幸治といえば、『コミックバンチ』が鳴り物入りで行った第1回世界漫画愛読者賞の準グランプリを受賞した漫画家さんでしたが、再々デビューの夢は儚く断たれてしまいました(合掌)
同じく第1回世界漫画愛読者賞・グランプリの木ノ花さくや先生も『月刊少年ジャンプ』での連載「ライツ−永遠の光芒−」を4ヶ月(9月号〜12月号)で打ち切られたばかり。
たった2回で終わってしまった同賞の失墜に追い討ちをかける受賞経験者の体たらく…
対照的に、第1回で準グランプリのはずがコアミックス側のわがままで審査員特別賞に格下げされてしまった長谷川哲也は頑張っています。


一方のジャンプも今年行った第1回ジャンプ金未来杯(ゴールデンフューチャーカップ)が怪しい雲行きになりつつあるようです。


企画倒れの危険が高くても、なぜ新人漫画家の読切競作企画を行うのか?
それは1987年秋の新人読切6連弾(1987年47号〜52号)が原因でしょう。
この6連弾は、作品の感想を送った読者各10人に特製テレカがプレゼントというだけで、人気投票を特別にやったわけではありません。樹崎聖先生は同年52号より「ハードラック」を連載開始しています(〜1988年12号)。

新人読切6連弾(1987年)
47号 萩原一至「WIZARD!!」
48号 樹崎聖「カズ!」
49号 有賀照人セーラー服騎士
50号 森田まさのり「BACHI-ATARI ROCK」
51号 十津川菜生「あぶない☆エンジェル」(原作:上水流了)
52号 稲田浩司「クソッタレだぜェ!!」

6連弾の読切から連載となったのは「BASTARD!!」(1988年14号〜1989年36号)、「舞って!セーラー服騎士」(1988年36号〜47号)、「ろくでなしBLUES」(1988年25号〜1997年10号)の3本。稲田浩司はのちに「ダイの大冒険」(1989年45号〜1996年52号)を連載。51号の上水流了&十津川菜生のコンビ以外は、いまでも現役で活躍中の漫画家ばかりという驚くべきラインナップです。
「夢よもう一度」と思うのも不思議ではないですね。


ジャンプ新人海賊杯&世界漫画愛読者賞&ジャンプ金未来杯